2009年6月13日土曜日

大統領の陰謀



監督:ジョエル・シューマカー

キャスト
マット・デイモン
イーサン・ホーク


2005年5月31日、ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件で、重要な役割を果たした内部情報提供者(ディープスロート)は自分であると、元FBI副長官のマーク・フェルトが告白した。

事件の真相究明を行っていたワシントン・ポストのボブ・ウッドワードとこの「ディープスロート」との関係は、1976年の「大統領の陰謀」の中で描かれている。

ここではその「大統領の陰謀」のリメイクを考えてみたいと思う。

アラン・J・パクラ監督の「大統領の陰謀」はニクソン大統領の辞任の二年後に公開されている。当時盛んに報道されていたウォーターゲート事件からまだ熱が冷めていない時期だったため、観客はある程度その事件に関する知識を持っていることを前提にこの映画は作られた。



そのため、のちにDVDやその他の媒体でこの映画を見る、当時の状況を知らない世代や、アメリカ国外の人々にとっては少々理解しがたい内容になっている。

それに加えて、現実感を出すためにドキュメンタリータッチで淡々と描かれているので、事件に関心のない観客にとっては、退屈な印象を与えるものになっている。またエンターテイメントより事件に対しての検証の意味合いも強く、事件に関するディティールにかなりこだわっていることも単調な印象を与える要因になっている。

たとえば、実際にウォーターゲート・オフィス・ビルへの侵入者を発見した警備員がその役で出演していたり、ロバート・レッドフォードがホワイトハウスに電話をかける際には本当の電話番号をダイアルしたりしている。

世界で最も影響力を持つ人物の一人を失脚させた事件だけに、この題材は実に魅力的だと思う。もう一度、世界市場にターゲットを合わせて、ドキュメンタリータッチではなくドラマチックにこの映画を撮ることは意味があるのではないだろうか。

大衆娯楽映画の監督として常に手堅い演出をみせるジョエル・シューマカーが監督ではどうだろうか。

ロバート・レッドフォードが演じた熱血漢ボブ・ウッドワードには、イーサン・ホーク。ニコラス・ケイジを執拗に追う、「ロード・オブ・ウォー」でのインターポールの刑事役はなかなかの名演だった。

ダスティン・ホフマンが演じた文才のあるカール・バーンスタインには、マット・デイモンが合うように思う。アカデミー賞脚本賞を受賞した経験を持つ彼なら、適役ではないだろうか。

前作は完全にジャーナリズムが正義というような描き方だったが、ジャーナリズムの問題点を同時に盛り込むと違った側面が描けるかもしれない。
by ブック・オーシャン









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大統領の陰謀―ニクソンを追いつめた300日 文春文庫
「ディープスロート」の告白でまた読み方が変わってきますね。

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